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カテゴリー「DVD」の記事

2009年2月 1日 (日)

DVD「同窓会」を観て

 サタケミキオ第1回脚本・監督作品。サタケミキオこと詫間孝行が主演もつとめている。

 東京セレソンデラックスという劇団の座付き作家であり、役者でもある詫間孝行の感性の光る作品になっています。わかりやすい性格である主人公の視点に引き込まれてしまい、観ている自分もまんまとだまされてしまい、最後の種明かしには思わず「うまいなぁ」と叫んでしまいました。登場人物の現在のストーリーに、誰もが持つ高校時代の懐かしくそして切ないストーリーをていねいにかぶせて行くあたりも、涙腺を弱め胸をジンとさせる効果が十分とありました。しかし単なる叙情に流されてしまうことなく、斬新な映像でむしろ軽快なテンポで楽しめる映画になっています。そして随所に伏線が張り巡らされて、それがだんだんとつなぎ合わさっていく様など、なかなか手のこんだ脚本作りです。 長崎県島原を舞台にして、九州弁を駆使するあたりも、美しい風景と人情が相まって見どころの多い映画といえそうです。

 ただ、雪役の永作博美が高校時代を演じた尾高杏奈とちょっと結びつきにくかったり、病院の話には無理があると思ったりもしましたが、おもしろい映画には違いありません。1月23日からレンタルが開始されていますので、是非ご覧下さい

2007年6月 3日 (日)

DVD「麦の穂をゆらす風」

 今年度のカンヌ映画祭では河瀬直美監督の『殯の森』がグランプリを受賞しましたが、昨年度のカンヌ映画祭の最高栄誉であるパルムドールを受けた「麦の穂をゆらす風」のDVDがレンタルされたのでさっそく観てみました。
 
 舞台は1920年のアイルランド。イギリスからの独立をめざしての戦いは、小さな村でもくり広げられていた。村の若者であるデミアンは医者としてロンドンの病院勤務を目指すが、イギリス軍の非道な振る舞いに自らもIRA(アイルランド共和軍)に参加し、活動を始める。その結果イギリスとの和平が成立し、「アイルランド自由国」が成立するが・・・・・。
 
 最初、穏やかな田園風景が広がる中でのできごとが、いわば戦争ごっこ的な感じを受けましたが、反抗する若者がイギリス軍に虐殺されたり、裏切った仲間を主人公が処刑する場面などによって、これはただごとではすまされなくなっていきます。それでもやはり、日常的な生活の場面が戦場となっていくことを、ケン・ローチ監督は農村にとけ込むように静かに表現していきます。この映画のすごさは、人間同士の葛藤にあると思います。みんなが知り合いというような狭い社会の中にあっても、あるいは兄弟という近い関係にあっても、考え方ひとつで憎しみ、殺し合いをくり広げなければならないという人間の怖さ。そして、イギリスとの戦争、和平後の内戦の目的が、貧困の克服にあったということをあきらかにしたことです。映画では栄養失調の子をかかえて苦しむ農村の様子や、地主やお金持ちからの搾取を受ける人々の様子を描いていきます。結局主人公は、当然自分が受けるであろう当たり前の幸せな生活をうち捨て、完全な独立と平等のために身を捧げてしまいましたが、主人公が自分を犠牲にして求めた「貧困からの自由」は果たして為されたのでしょうか。

2006年9月 3日 (日)

DVD「ホテル ルワンダ」

Story_simg061  春に実習に来た女子大生が、アフリカの授業の時にさかんに自分が観た映画「ホテル ルワンダ」のことを生徒に紹介していたので、レンタルが開始されたのを期に、この映画を観てみました。アフリカの小国、ルワンダで1994年に起きた、民族紛争による大量虐殺事件を舞台にしています。フツ族の民兵によるツチ族の無差別虐殺に対し、フツ族でホテルの支配人であった主人公ポールが、ツチ族の孤児などをホテルにかくまい、多くの命を救ったというアフリカ版「シンドラーのリスト」というべき作品です。しかし、もともと主人公は英雄でもなんでもなく、最初はフツ族の将軍や高官に賄賂でとりいり、身の保全をはかろうとする現実主義者でした。それが、妻がツチ族であったことから、家族とその隣人まで救うことになったのです。命をかけてホテルの「客」である難民の命を守ろうとする姿に、ホテルマンとしての誇りとヒューマニティを強く感じることができました。しかし、なぜこのような虐殺がおきたのか。映画でも紹介されていましたが、国連始め、西側先進諸国がとるにたらない国として、ルワンダを放置したこと。またかつて、ルワンダを植民地にしたヨーロッパ諸国が、支配のために、もともと共存していたフツ族とツチ族の対立をあおったとも言われています。ようするに大国の都合が見え隠れするのです。とにかくこの映画は遠い昔の話ではなく、今この時におきている話であることをイメージできる力を持つ必要があります。

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