東京セレソンデラックス「流れ星」 大阪公演 4日昼の部を観て
学校にいつも来られている教材業者のSさんに、たぶん知らないだろうと思いながら、東京セレソンの「流れ星」の観劇の話をすると、『私は初日に観てきました。初日だったんでアドリブは少なかったですけどね』、という思いもよらない返事が返ってきて驚いてしまいました。演劇通の間ではけっこう人気のある劇団だったんですね。
東京セレソンデラックス。僕が初めてこの名前を知ったのは演劇からではなく、この劇団を主宰されている宅間孝行が、監督・主演をされていた映画「同窓会」を観てからです。おもしろく意外性のある展開と、情感のあるストーリーにひかれてしまいました。それからテレビで放映されていた「夕」と、DVD化された「歌姫」を立て続けてみました。どちらも方言がノスタルジックで、登場人物は見た目によらず善人ばかりで、最後は人知れなかった悲しい思いに涙するというスタイルにぐっとくるものがありました。
BRAVAの客席に着くと、開演前から懐かしのメロディーが流されていました。最後に流れたちあきなおみの「4つのお願い」は、このお芝居のモチーフにもなっていました。
「流れ星」は1970年の頃が舞台になっている「昭和もの」のジャンルに入るお芝居です。70年から今を見て、忘れてしまっている大事なことを宅間孝行がいろいろな登場人物の言葉を借りて、語っているようにも思えました。豊かなモノが決して人を幸せにしないとか、人間を決してさげすんではいけないということなどです。そして一番言いたかったのは、自分に何をしてくれたかばかりを考えていては、本当の愛は見えてこない、本当の愛とは相手の幸せを人知れずとも願うことであると。
こんなことばかり書くといたってシリアスなお芝居のように見えますが、それはとんでもないこと。下宿に巣くうそれは、それはユニークなキャラの人たちが、これでもかと言わんばかりに登場し、涙腺ならぬ「笑腺」を刺激しまくります。特に路上詩人の田淵兼子さん(別名 しらゆりあやめ?)はちびまるこちゃんに出てくる野口笑子とだぶって見えましたが、その圧倒的な存在感は夢にも出てきそうでした。伏線もたくさんひかれて、謎解きのおもしろさもあるお芝居にもなっていました。流れ星のかけらを集めて願いをかなえるというのも、ファンタジーでいいですね。また、新作ができたら是非観たいと思います。
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