「シャガール展」 愛と自然の賛歌 奈良県立美術館
いつもなら「正倉院展」とセットで県立奈良美術館の特別展を訪れるのですが、今回は大好きなシャガールということで、たまらずフライングをしてまで観てきました。つい先日に、兵庫県立美術館で「ダビデ王の夢」に出会ったばかりですが、今日は「誕生日」をはじめ、時代を追ってたくさんの作品に出会えたので、幸福なひとときをすごすことができました。やさしい線で縁取られ、色彩豊かに描かれたどの絵も、みつめればみつめるほど、たくさんのものが見えてくるのです。それは、花かごを見たシャガールが、太陽を見たシャガールが、心に想起する数々の思いをキャンバスに語りかけるように塗り込めていった様を、自分も一緒になってたどれるようなそんな気持ちにさせてくれるのです。雪に埋もれた故郷の町の空を、老人が、恋人たちが横たわる、それは「ここにも私たちは生きているんだよ」という静かな声が聞こえてくるのです。月、牛、鶏、結婚式、バイオリン、そして愛する人々、幾度となく登場してくるこれらのモチーフにこだわって最後まで描きつつけたシャガールという画家は、生半可な愛なんかじゃなくて、懐かしくそして決して消えることのない、強くそして永遠の愛を描いたのだと僕には思えました。今日から僕の書斎の壁には「オルジェヴァルの夜」が飾られます。
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