カテゴリー「美術館」の記事

2007年10月14日 (日)

「シャガール展」 愛と自然の賛歌 奈良県立美術館 

 いつもなら「正倉院展」とセットで県立奈良美術館の特別展を訪れるのですが、今回は大好きなシャガールということで、たまらずフライングをしてまで観てきました。つい先日に、兵庫県立美術館で「ダビデ王の夢」に出会ったばかりですが、今日は「誕生日」をはじめ、時代を追ってたくさんの作品に出会えたので、幸福なひとときをすごすことができました。やさしい線で縁取られ、色彩豊かに描かれたどの絵も、みつめればみつめるほど、たくさんのものが見えてくるのです。それは、花かごを見たシャガールが、太陽を見たシャガールが、心に想起する数々の思いをキャンバスに語りかけるように塗り込めていった様を、自分も一緒になってたどれるようなそんな気持ちにさせてくれるのです。雪に埋もれた故郷の町の空を、老人が、恋人たちが横たわる、それは「ここにも私たちは生きているんだよ」という静かな声が聞こえてくるのです。月、牛、鶏、結婚式、バイオリン、そして愛する人々、幾度となく登場してくるこれらのモチーフにこだわって最後まで描きつつけたシャガールという画家は、生半可な愛なんかじゃなくて、懐かしくそして決して消えることのない、強くそして永遠の愛を描いたのだと僕には思えました。今日から僕の書斎の壁には「オルジェヴァルの夜」が飾られます。

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2007年9月 8日 (土)

「巨匠と出会う名画展」 兵庫県立美術館

 リニューアルされてから初めて兵庫県立美術館を訪れました。まず海浜に建てられた美術館そのものに目を奪われました。さすがに安藤忠雄氏の設計だけあって、よけいな情念を持つことなく、ありのままの気持でありのままの美術品に向き合える、そんな感じをいだきました。そして出会えました。多くの美の巨匠達に。レンブラント、ルノアール、モネ、マティス、ピカソ、シャガール、そしてアンディ・ウォホール。思ったほど人混みもなく、ほんとにゆったりと一度にこれらの名画と正面から観られるという、ぜいたくな時間をおくることができました。印象派からシュールレアリズムまで、こうしてみるとなんか美術史の勉強になったような気にもなります。気になった作品は、カジミール・マレーヴィッチの「乾草作り」、鎌を持ち立直する農夫を赤と青に染め上げ、その愚直なまでの姿が何をか語りかけてくるものを感じました。 そして、シャガールの「ダビデ王の夢」、愛や祈りという思いが、美しい色彩の中しみじみとキャンパスのいたるところから醸し出されてきます。名画というのは観る者に言葉では表せない、今までに感じたことのないような、心のざわめきを与えてくれます。

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2007年4月28日 (土)

パリを魅了した江戸の華-北斎・写楽・歌麿

01_021  GWの初日は、大阪市立美術館で開催中のフランス国立ギメ東洋美術館所蔵「浮世絵名品展」に行きました。さすがに大型連休ということでたくさんの人が来られていましたが人の頭越しでしか観られないということはほとんどなく、休日にしてはほどよく鑑賞できたと思います。しかし「鈴木春信」「喜多川歌麿」「東州斉写楽」「葛飾北斎」「歌川広重」とこれほどまでの浮世絵の巨匠たちの絵を一同に見たのは初めてのことで、いたく感激しました。展示方法も浮世絵の歴史を追って、その変遷がよくわかるように工夫されていました。

 初期の浮世絵は墨絵で描かれた武者姿のものが多く、とりたてて観るべき物がなかったのに対して、絵師たちの色への欲求が浮世絵を一変させます。特に春信による美人画は線のたおやかさ、多色刷りによる色のあでやかさなどが、あきらかに江戸の庶民を魅了したものと思われました。そしてさらに「歌麿」の世界になると、本当にその緻密な表現に驚かされてしまいます。こうした浮世絵本流に対して、変化球を投じたのが「写楽」。これでもかと言わんばかりの大胆な構図の大首絵の登場は、本当にどぎもを抜いたことでしょう。そして江戸末期の「北斎」「広重」のゴッホなどヨーロッパの画家にも影響を与えた斬新な風景画。今回初めて北斎の「千絵の海 総州銚子」という波を描いた絵を見ましたが、有名な「神奈川沖浪裏」とはまたちがうサーフィンのようなスピード感ある波の動きがすばらしいと思いました。

 また、北斎の竜虎図は竜と虎それぞれの掛け図が100年ぶりの再会したということで、特に人気を集めていました。泰然たる龍に対して、どこか憎めないユーモラスな虎の顔に、ドラゴンズとタイガースを思い浮かべてしまい一人悦にいっていました。

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2007年1月 5日 (金)

「ポンペイの輝き」展 サントリーミュージアム

P2 「ポンペイ最後の日」で有名なベスビオ火山の噴火により、火山灰に埋もれたポンペイの遺跡から発掘された出土品の数々を見ることができました。宝飾品よりも印象深いのは、今にも絶叫が聞こえてきそうな犠牲者の型どりです。栄華をきわめた貴族達にとっては、この悲劇的な運命は何よりも受け入れ難いものだったことでしょう。数々の宝物を抱えて逃げまどう中で炎に包まれていった彼らが哀れにも思えます。その人達が身につけていた装飾を凝らした指輪や首飾りは、まさに遺品として見るわけであり、美術的な価値を越えた感慨を覚えました。また台所用品や医療品などはその日生活していたそのままの姿で埋められているのであり、犠牲によって得られたタイムカプセルとして価値ある物だと思いました。歴史的には剣闘奴隷が身につけていた鎧や、ローマ時代の金貨などを見ることができたことや、正倉院御物にもつらなるような工芸品を目にしていい学習になりました。

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2006年8月19日 (土)

プラド美術館展 大阪

 大阪市立美術館で開催中の「プラド美術館展」に行きました。プラドはスペインの美術館。大阪市立美術館は天王寺公園内にあるのですが、JR天王寺側のゲートからではなく、、通天閣のある新世界ゲートからはいると「じゃりン子チエ」の世界から、「宮廷美術」の世界へと入り込むことになります。このコントラストがまた、大阪ならでは。作品は漆黒の背景の中、そこだけ光があてられ、演劇の1場面であるかのような絵画が多かったです。ボデゴン(ボディコンではなく)といわれる花や果物の静物画は、3Dのような立体感と美しさで魅せられました。特に印象に残った画家は「エル・グレコ」です。宗教画でありながら、型にはまらない自由な構図とあたかも絵本をみるかのような色彩がすばらしい。何かを感じさせようとしている目や表情もいいですね。今回は、印象派とは違う絵画の重厚さ荘厳さというものを感じさせてくれた美術展でした。

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2006年3月 3日 (金)

プーシキン美術館展

 大阪・中之島で開催されている「プーシキン美術館展」に行ってきました。休日ならばどれほどかと想像するのに難くない人混みでした。国立国際美術館は初めて訪れましたが、地上にはその姿はなく、地下に展示室がしつらえてある造りになっています。さて、二人のロシア人が精魂かたむけて収集した印象派の作品群だけあって、見応えあるものでした。特にマティスの「金魚」は、口を大きく開き、おせいじにもかわいいとは言えませんが、大胆な構図に生命のエネルギーを感じることができました。マティス、これからも気にしてみたい画家のひとりになりました。

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