カテゴリー「演劇」の記事

2007年7月 8日 (日)

wowow舞台「写楽考」Suzkatz×堤真一

 6日にwowowで放映された舞台「写楽考」を観ました。謎の絵師とされる写楽を、喜多川歌麿、十返舎一九、蔦屋重三郎という数少ない登場人物で浮き彫りにしていくという構成がすばらしかったです。1幕は写楽(堤 真一)とその愛人お加代のからみが中心でしたが、浮世絵的な江戸時代のエロスの雰囲気がよく出ていたように思います。また強がりは言うが自分の思いを絵に表せない伊之(後の写楽)と、ストイックだけれど倒錯した感覚で女性を描こうとする勇助(後の歌麿)の二人の醸し出す緊張感を、重田幾五郎(後の十返舎一九)のおとぼけさで緩和していくという手法がおかしかったです。
 
 2幕はいよいよ写楽の登場ですが、それは劇的でも何でもなく、人殺しのお尋ね人となった伊之が追い詰められたなかで、一瞬にひらめかせた才能を蔦屋が拾い上げるというものでした。蔦屋を演じた西岡徳馬の如才のない商人根性の演技が光っていました。そして牢に入れられた後も、自分の生きる意味を見いだしたかのように絵に打ち込む写楽。しかし、死を前にしてこれで良かったのかと、心が振れるあたりの描写が秀逸でした。最後の処刑のシーンの演出もよく考えられていて圧巻でした。
 
 わすが1年足らずの間に、150枚の絵を残して消えた写楽。この舞台を観てますますそのミステリーさに引かれるようになりました。

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2007年3月 4日 (日)

キャラメルボックス「サボテンの花」

 シアターBRAVAの席は、「U-1」という1階の後ろから2列目、しかも一番端という席で気がつけばこの席の上には照明が無いんですね。暗くてもらったパンフレットを読むのも苦労しました。でもキャラメルの劇は親切にパンフレットをつけて下さるのでうれしいです。
 
 観劇の感想は
http://hishiya.cocolog-nifty.com/mokumoku/2007/03/post_b60e.htmlを見ていただくことにして、追伸的に書かせていただきます。まず宮部みゆきの原作との関係ですが、原作は洒落た感じで終わりを迎えていますが、キャラメルでは新たな登場人物やエピソードを盛り込んで、より深く重く人間味のあるお芝居に仕上がっているということです。その分テーマがよくわかり、感動をもりあげることに成功していたと思います。つぎに歌があります。おもわず見ている方も歌いたくなるような歌が多かったことです。特に教頭先生をうたった歌がいいですね。素朴でなんとも言えない暖かみを感じました。そして「NOTHING VENTURE NOTHING WIN」のフレーズ。初めて聞く言葉なんですが、いつまでも心に残ります。僕も卒業式に生徒のサイン帳に書いてやりたくなりました。最後に大人が小学生を演じるというのは、本当に難しいことだということです。それも受けねらいや洒落ではなく、自分が子どもの姿に向きあって演じねばなりません。それもほとんど不自然に感じることもなく、子どもの感性のままに演じられていたみなさんはやはりプロですね。

これからも演劇のいろいろな可能性を追求していただきたいです。

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2007年2月13日 (火)

東京ボードヴィルショー「エキストラ」

000008571_1 WOWOWで放映された三谷幸喜作・演出の東京ボードヴィルショー「エキストラ」を観ました。昨年大阪では公演されなかったので舞台では観ることができなかった三谷作品を、こんなにも早く観られるとは思ってもいませんでした。
 
 佐藤B作さんと三谷幸喜のコラボは「そのばしのぎの男たち」を観てそのあまりものおもしろさにはまってしまい、毎回観ています。今回の作品はまず出演者数27名という群衆劇、そして「オケピ」のように表舞台では脚光をあびることがない「エキストラ」を描いたバックステージものとして特徴があります。セットの一部のように扱われスタッフからは虐げられながらも、決して目立ってはいけないという演技をめざして芸をきわめる「エキストラ」の人たち。その姿に胸を打たれました。声を出さずに騒ぐことなど想像もしていませんでした。何をやっても不自然な演技しかできず、すぐに役をおろされる伊東四朗の演技は、その間の取り方などやっぱりうまい。元教師のエキストラという役の角野卓造さん。僕も教師だからわかるんですが、きっとこんなふうに理屈ぽっくなるんでしょうね。だいたい3分で話しを終わるからという先生に限って、20分や30分の話はざらなんですから。エキストラあがりで今は役をもらっている佐藤B作さん。結局卑屈な精神はなかなか消えないという苦しみを熱演されていました。そして、今まで顧みられなかった人たちが、ついにはそれぞれの特技を光らせていくという(死体となって初めてエキストラになれた人も含めて)ストーリーは小気味よくさすが三谷作品の真骨頂だと思いました。エキストラ事務所の新人マネージャーという役だったはしのえみこさん。ベテラン陣にかこまれて大変だったと思いましたが、そのフレッシュな演技に好感が持てました。佐渡稔さん、ボードヴィルショーではなくてはならない脇役ですね。さりげない演技がなんともいえないおかしみを醸し出しています。
 
 今度はテレビではなく是非舞台で観たい作品でした。

 

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2007年1月14日 (日)

「みんな昔はリーだった」大阪公演 14日夜の部

Main_011  後藤ひろひと作・演出の演劇を生で観るのはこれが初めてです。全体的な感想は、映画やテレビドラマでみられるノスタルジック昭和が、舞台にまで及んできたのかということです。70年代の中学生という時代設定がちょうど自分とほぼ同時期で、懐かしさを感じながら観ることができました。観ている若い人なら知らないだろうと思われる言葉も結構でていました。「ガキ刑事」「タイガー・ジェット・シン」(まさに大学の時の僕のあだながそれでした)、それに大阪公演とあって「白木みのる」に「てなもんや三度笠」などなど。

 ストーリーは後藤ひろひとにしては手のこんだものは無く、時間が三重の入れ子構造になっいることぐらいです。ただ、中学生から高校生の頃の男子というのは、あこがれやヒーローを持ちたがる年代で、それがこのお芝居ではブルース・リーであったことを郷愁をもって描かれていました。「今は女がほれる男ばかりで、男がほれる男がいなくなったなぁ」というセリフは、確かにその通りなのかもしれません。だから、後藤ひろひとはもう一度強い心を持った男というのを描きたかったのだと思いました。(後藤さん自身はロバート・デニーロになりきっておられましたが)また、どうでも良いことにこだわるのもこの年代ですね。それも木の上のハンカチという小道具を使って、少年の強くなりたいという夢をうまく表していた思います。とにかく、随所に笑いがちりばめられた楽しい演劇でした。

 演技陣では、自分のキャラを精一杯演じきっていた堀内健(途中勢い余って、ひざをドアにしたたかぶつけるというハプニングがありましたが)、年長者らしいしっかりした演技やセリフまわしをされていた伊藤正之、本当にリーになりきって芸達者なところを見せておられた竹下宏太郎、見た目の清楚さと本音のがらっぱちさのギャップをうまく演じられていた京野ことみなどが印象に残りました。

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2006年12月 3日 (日)

キャラメルボックスDVD「賢治島探検記」

Topimagel1先日の「少年ラヂオ」を観た時に劇場で買ったDVDを、今日ようやく観ることができました。小劇場での公演のようでしたが、理屈抜きにおもしろい演劇でした。 日本各地にあるという「賢治島」を探している大学のゼミ一行が、新宿のとある場所が「賢治島」であることを実証するために、みんなで賢治の童話を演じることになり・・・。

 劇中劇として、「雪わたり」「注文の多い料理店」「セロ弾きのゴーシュ」「風の又三郎」「銀河鉄道の夜」が次々に演じられていきます。ただ題名は「無口の風の又三郎」とか「高速銀河鉄道の夜」とか微妙に変えられているのがおかしい。空き地でやっているという設定なので、舞台道具らしいものはほとんどありません。「雪わたり」のキツネ役はスキー帽をかぶっただけだし、中でも「セロ弾きのゴーシュ」のセロは坂口理恵さんそのものがなっていて、ゴーシュ役の三浦剛さんから、さかんに「もっと新しいセロがほしいなぁ」と言われていたのがケッサクでした。特に最後の「銀河鉄道の夜」は、舞台装置は椅子がおいてあるだけなのに、照明と効果音と演技力だけで、観ている者を「銀河鉄道」の世界にひきこめるのはスゴイなぁと思いました。劇間をつなぐ、お鍋を使った合奏やリコーダーでの交響曲「田園」などはすばらしく、またサヌカイトを使った「星わたりの歌」の演奏は胸があつくなるほどでした。宮沢賢治は人を幸せにするためには、何をすればいいのかを考えた人ということですが、このお芝居を観てもう一度宮沢賢治の童話を読んでみたくなりました。

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2006年11月18日 (土)

キャラメルボックス「少年ラヂオ」神戸公演

Topimage1 8月の「雨と夢のあとに」に続いて、キャラメル2度目の観劇になります。新神戸オリエンタル劇場は入り口はこじんまりとしていますが、中は神戸らしいゴージャスな感じで、特に1階席は舞台を目の高さで見ることができるのがいいですね。

 さて、今回の作品「少年ラヂオ」は時代が昭和に変わろうとする大正の最後の年が舞台になっており、美術、照明、衣装などはそのころの雰囲気をよく出していたと思います。設計したジェットエンジンが、爆撃機に使われ多くの人を殺すことになるのを恐れ、その開発を阻止しようと、スリ集団をまきこんで金もうけをもくろむだけの財閥と対峙していくというお話。もちろん、不幸な中にあっての兄弟愛もおりこまれた情感漂わせる舞台になっており、いつもの音楽あり踊りあり笑いあり、果ては「ストップモーション」ありのキャラメルらしい舞台でした。ただ全体的には劇的な変化のない、どうしても地味な感じを受けざるをえませんでした。史実では無くてもともと空想なんだから、ジェットエンジンというようなありきたりのものではなく、もっと奇想天外でびっくりするような機械の発明にした方が、おもしろかっただろうし、ラヂオを使ってノスタルジックにするなら、時代を感じさせるアナウンスや音の出し方にすればもっと受けたのではというようなことを思いました。それでも昭和がクリスマスの日から始まったのをうまく盛り込んだり、「昭和が明るい平和な時代であることを」とみんなが願うシーンなどはぐっときました。

 役者では「かまいたち」役の坂口理恵さん、さすがに貫禄ですね。執事役の菅野良一さん、自分のキャラでよく笑いをとっていました。ラヂオ役の畑中智行さん、汗びっしょりの熱演でした。(カーテンコールで、坂口さんから早く着替えさせたいと言われてました)大内厚雄さん、岡田さつきさんの「18歳」発言で舞台をローリングしていたのがおかしかったです。岡田達也さん、今回は悪役でしたが次回はまた心温まる演技を期待します。コテツ役の渡邊安里さん、カーテンコールの深々としたおじきに胸があつくなりました。

 次回は「サボテンの花」という宮部みゆきのミステリーということで、楽しみです。

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2006年9月13日 (水)

東京ヴォードヴィルショー「戸惑いの日曜日」大阪公演

Sc_image_tomadoi1  職場の会議が終わるのを待ちかねて、厚生年金会館に急ぎました。19時開演の三谷幸喜脚本、東京ヴォードヴィルショー公演「戸惑いの日曜日」初日。これまでの東京BSの三谷作品は「その場しのぎの男たち」と「竜馬の妻とその夫と愛人」を観ました。どちらも、歴史上の事件や、歴史人物を利用したおもしろさであったのに対して、今回の作品は現代に舞台をとり、シチューエーション一本で通した理屈なしにおもしろい作品となっています。借金返済のためにマンションを売った男(佐藤B作)が、娘の結婚のために新家主のいないすきに、売り払ったはずのマンションに電気屋になって忍び込み、自分がまだ家主のように娘の前では振る舞うという、とんでもない設定のドラマです。新家主を演じた西郷輝彦が、これまでもっていた彼のイメージをぬぎ捨て、このあり得ないシチューエーションにうまくとけこんでいった!奇妙なおもしろさがありました。(パンフにはこのトンデモ設定に稽古中の西郷輝彦が切れて、ついには星のフラメンコを歌って、踊り狂いだすのでないかと心配したとB作の談あり)とにかく、うそと勘違いの応酬で、会場は爆笑の渦の中に巻き込まれていきます。「それはないやろ」「なんでやねん」「そんなあほな」と心の中で何度、ツッコミをいれたことか。B作の愛人、ビビアンのア行ことわざ攻撃、細川ふみえのCMが聞こえてきそうなバスロープ衣装、いたるところにひかれた伏線、三谷脚本の神髄が随所にみられました。今回、登場した小道具は「薄型液晶テレビ」で、三谷作品もついにデジタル化と思いきや、もうひとつの小道具は南国(アフリカ?)風の「お面」。このあたりのギャップのおかしさもあるのですが、このふたつがラストに絶妙にマッチングするというオチはさすがです。しかし、なんといってもB作さんの演技はすばらしい。劇の調子を作り、人の演技を引き出す力が彼にはあるようです。会場が一番盛り上がったのは、本当の電気屋を演じた松竹新喜劇の小島慶四郎さんとのからみ。さすが、大阪だけあって慶四郎さんが出てきただけで笑いをとっていましたが、その雰囲気にB作さんが乗ってしまって、アドリブをしかけると、慶四郎さんは「そんな、台本にないことやらんといてや」と応戦していました。最後には哀愁を漂わすことも忘れないこの作品は、僕が観た三谷作品では上位に入ることは間違いありません。三谷さん、こんなところでよろしいでしょうか?

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2006年8月26日 (土)

キャラメルボックス「雨と夢のあとに」大阪公演

 キャラメルボックスの作品は、これまでDVDでいくつか観ていて、一度生のキャラメルを味わいたいと願っていたのが、今回「雨と夢のあとに」でようやく実現しました。しかも子役として日本沈没の福田麻由子が出演している話題の作品です。前説によると未成年の客演はキャラメル始まって以来のこととか。ストーリーは、蝶の採集中に台湾で死んだ父親の魂が家にもどり、その姿を見ることのできる娘「雨」や音楽仲間たちとの、天国に旅立つまでの最後のふれあいを描いたものです。重松清「流星ワゴン」、映画「黄泉がえり」など死者が戻ってくるというパターンは、本当に涙腺を弱くしますね。実際、幽霊となっても、娘を守ってやりたいという父親のせつない思いに、観客席からすすりあげる声がよく聞こえていました。音楽性あふれ、スピーディーでしかもコミカルな演技(夫婦役の久松さん、楠美さんが絶妙)に、心から演劇を楽しむことができました。また直に観ることで、美術もふくめて作品の作りをていねいにされているということも実感できました。これで6000円は安いかもしれません。これからも、できるだけキャラメル作品はチェックしたいと思います。夏休みすべてを「雨と夢のあとに」にかけた福田麻由子ちゃんごくろう様でした。宿題の自由研究は5月に終わらせていたというから、なかなかのものですね。表情や、ぼそっといれるセリフのタイミングはすばらしかったので、あとは映画やテレビとは異なる舞台での発声法などを学んでいくと、もっと上手になると思います。

 

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2006年8月 6日 (日)

開放弦

Kaihobig2_1  倉持裕作、G2演出「開放弦」大阪公演を観てきました。G2演出ということで不思議な世界を期待していたのですが、思惑は外れてしまいました。暗闇の中、白い障子や光る傘?が動いたり、巨大なカモの看板が降りてきたりで、それなりに得体の知れないモノはでてきましたが、全体的には静かな「会話劇」でした。こうなると後方の席に座った観客は不利ですね。表情がよく見えないのでセリフを一生懸命受け止めようとするのですが、これも又すれ違いのセリフばかりで、人間関係がよく理解できないまま劇は進行していきます。地方の若者達の話なのだけれど、そんなリアリティは感じられず、よっぽど東京から来た漫画家夫婦の方が素朴な雰囲気を醸し出していました。結局、そんな人間が住んでいる、そんな場所はあるはずもない中で、あるはずのないような恋愛ドラマという不条理劇だったんでしょうね。そう考えれば、やっぱり不思議な世界を描いた劇ということになるのでしょうか。そしてそれを一番よく表現されていたのが、大倉さんでした。

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2006年4月15日 (土)

おもろい女

 梅田芸術劇場メインホールで森光子主演の「おもろい女」を観てきました。戦前に大阪を中心に活躍し、天才漫才師と言われた「ミスワカナ」が主人公のお芝居です。15歳から36歳までのワカナを85歳の(まもなく86歳になられる)森光子さんが演じられました。何かそれだけでも胸があつくなるものがあります。さすがに、テンポや声量など求められるはずの無いものは多々ありましたが、漫才に人生を懸けた「ミスワカナ」と、最後まで女優として極めようとされている森光子さんの姿がだぶって見ることができました。及ばずとも自分も一教員として、子ども達に最後まで向き合っていきたいという気持ちをあらためて持つことができました。森光子さん、ありがとうございました。

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2006年2月18日 (土)

ダブリンの鐘つきカビ人間

 WOWOWで8日に放映され録画していた「ダブリンの鐘つきカビ人間」を、今日やっと観ることができました。後藤ひろさとさん独特の奇抜なアイデアで書かれた、喜劇とも悲劇ともちがう「ブラックユーモア」なる演劇でした。全員が奇妙な病におかされた村で、見かけと心が正反対の「カビ人間」と、思っていることの正反対しか話せない娘の悲恋。最後はやさしかった「カビ人間」を救いたかったのに、反対に「殺せ」と叫んでしまって「カビ人間」を死に至らしめた娘。結局考えてみれば、本当のことを話そうとして、反対のことしかしゃべれないという人間の方が正直なのではないかと。本当のことを言ってるかのように見せかけて、ウソをついている人間の多さを考えれば。

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2006年2月11日 (土)

「贋作 罪と罰」大阪公演

 NODAMAP「贋作 罪と罰」を観ました。まず不思議な舞台空間でした。観客席に囲まれたステージには、それらしい舞台美術はほとんど無く、たくさんの椅子(なつかしい学校にあった木の椅子、ローラーのついた事務椅子、なぜか背もたれの長い椅子)が並べられ、使わないときは出番の無い出演者が舞台の下で座る椅子になったりする。ポールらしきものが、家の柱になったり戸に変わったり、場面転換は2枚のカーテンがすり抜けていくだけ。効果音も待機中の出演者がバケツにコインを投げ込んだり、歓声をあげたりする。その中で繰り広げられるのは「理想のために人は人を殺せるのか」という哲学的なテーマ。しかし前半は野田さんのサービス精神一杯のギャグ満載で、特に大阪公演ということで、JR大阪駅が出てきたり、「じっとかみしめてごらん」のパルナスの歌が登場したりで結構笑わせる舞台となっていました。しかし、後半は一転して英(松たか子)の罪の述懐と、竜馬(古田新太)の無血革命論の展開で、客席は水を打ったかのように静まりかえっていました。「血の代わりに金を流す。思想ってたかだかそれぐらいのものだ」「お前達は、大地を血でけがす。志も刀もこの十字路へ置いていけ」この竜馬のセリフがかっこいい。古田新太さん、最初イメージが竜馬とちがうなと思いましたが、最後は貫禄が出ていました。英役の松たか子さん、涙をほとばしらせる熱演でした。野田さんのお芝居は初めて観ましたが、言葉がよく練られているのが印象的でした。

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2006年1月28日 (土)

「12人の優しい日本人」観てきました

 待ちかねていた今日の日が来て、「シアタードラマシティ」に足早に駆けつけたところ、すでに長蛇の列で、人気の高さがうかがえました。開演と同時に三谷さんが登場されるというサプライズで、会場は大いにわきあがりました。円形テープルが置かれた舞台に次々と陪審員が登場していき、芝居が始められました。観客席に背を向けて椅子にすわるという演劇のタブーをおかす配置があり、どうするのかと思っていたら、三谷さんの観客をはじめからどっと笑いをとる仕掛けがそこにはありました。それって、ひょっとして反則技かな?最初は、よくしゃべる人や声が大きな人が中心になっていたのが、進行するに従い目立たなかった人も輝いていくという手法での演出は本当に心憎いものがありました。とにかく、おもしろい。2時間役者さんはみんな出ずっぱりなのに、「あっ、こんな人いるいる」と思わせる飽きさせないしかけが一杯。舞台のどこてでも芝居をしているという感じ。初舞台という江口洋介さんもだいぶ慣れてきてのか、余裕すら感じることができましたが、最後の筒井道隆さんのつっこみは最高でした。演技でいうと温水さんがすばらしい。表情やセリフなどコメディアンとしての役割を十分果たしておられました。この演劇で三谷さんは「声の大きい人や強い意見を持つ人に惑わされないで、自分の感性や思いを大事にしなさい」と言われているように思ったのですが、どうでしょうか。しかし、本当に裁判員制度が始まったら、裁判員の人たちが今日のお芝居のような議論ができるか心配です。特に、国語力に欠ける現在の子ども達、大丈夫かな。人の命にかかわることにちゃんと意見が言えるかな。心優しき子ども達、その時はがんばってね。

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