映画「ALWAYS三丁目の夕日'64」を観て
このシリーズは3作とも観ていますが、人気はどれも高く映画館の客席はいつも満員です。客層は50代以上がほとんどで、同じ時代をくぐった者同士の一体感に包み込まれているかのような雰囲気があります。映画の最初に出てくる東宝のタイトルが突然昔使われた「TOHOSCOPE」が出てきて、ちょっと驚いてしまいました。
まだ舗装されていない地道をランニングシャツ1枚の姿で、「ひょっこりひょうたん島」を歌いながら駆けていく少年は、まさに僕自身です。東京オリンピックの開会式を鈴木家ではカラーテレビで観ていましたが、確か我が家にはまだ白黒テレビしかなくて、カラーテレビのある近くの家で見せてもらったことを覚えています。映画のカレンダーではこの日は土曜日になっていましたが、開会式を見られたということは小学校は休校だったということでしょうか。
テレビも全部の放送がまだカラーではなく、新聞のテレビ欄にはカラー放送される番組には、そこだけ「カラー」と書かれていましたね。懐かしいイヤミの「シェー」や、植木等の歌が登場しますが、昔のことを思い出すとなぜか幸福感に満たされます。あの昭和の時代、決して豊かではなかったけど、この映画の下町のように人情があふれ、未来への希望があったからでしょうか。
物語では、六子の恋と茶川とその父親の死を中心に進んでいきますが、いずれも泣かせる話です。時にいがみあったり、けんかしたりするけれども、本当はみんな温かい心を持って、支え合って生きているんですね。「だれもが、上ばかりめざしている世の中だけど、それよりも人が安心してもらえることの方に自分は喜びを感じる」という、奉仕医療の医者の言葉がありましたが、まさに今の時代に大切にしたい言葉だと思いました。
六子の恋人役の森山未來。73分けのヘヤースタイルと、懐かしいアイビールック(衣装協力にVANとありました。まだ健在なんですね)が決まっていました。六子役の堀北真希。純朴な姿が可愛らしく、ウェディングドレスも素敵でした。お父さん役の堤真一。NHKドラマ「とんび」の父親役とかぶっていましたが、まさに昭和の豪放らいらくな父親の代表となりました。茶川先生役の吉岡秀隆。登場人物の誰よりも深い演技でした。
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森山未來のアイビールックには時代考証の甘さが有り1964年には存在しないメーカー(MAC BETH)のレターカーディガンを着用していましたね。
チルデンセーターも「VAN」が取り上げたのは翌年の1965年の事でした。
日本映画の洋装の時代考証は無茶苦茶な事が常ですが、この映画はまだましな方ではなかったかと思っています。
投稿: n-project | 2012年2月 3日 (金) 14時24分
n-project様、コメントありがとうございました。
そうなんですか、するどい観察ですね。
服飾史からみた60、70年代も興味あるところです。
投稿: モクモク | 2012年2月 3日 (金) 17時58分