映画「真夏のオリオン」を観て
この映画は太平洋戦争末期に、米巡洋艦インディアナポリスを撃沈したイ-58潜水艦の艦長橋本以行 少佐をモチーフにして描かれているそうです。 まもなく戦争が終わるという時に、最後まで戦わねばならなかった事実を、日米艦長の知力をつくして向き合う姿を通して描いていきます。
人間魚雷「回天」の搭乗員に対して、「もったいない」とさとし出撃を許さず、自らの戦略と乗組員達とのチームワークで生きて帰ることをめざしたイ-77潜水艦の倉本孝行艦長(玉木宏)。米駆逐艦との死闘は鬼気迫るものがありましたが、戦争映画によく見られる悲壮感はほとんどありませんでした。それはどんな危機が迫ろうと「めしにしよう」と、一息いれることで動揺させずに冷静さを求めた明るい艦長と、その艦長に全幅の信頼を寄せる乗組員の姿があったからだと思います。 特攻攻撃という人間の精神を極限までに追い込んだ戦法とは、対極のものを感じました。潜水艦は「海に出れば自由だ」というセリフがありましたが、海軍の中ではまた独特の世界があったのでしょうね。
ストーリーとしては現実の戦争では起こりえないような「おとぎ話」的な感じもなくはありませんでしたが、敵・味方に分かれていようとも、音楽や星や詩の美しさは人間を結びつけてくれることを映画は訴えているようでした。
倉本艦長を演じた玉木宏。合理的な判断と、人間味あふれるハートを持つ指揮官の姿を好演していました。「僕の夢は、オーケストラの指揮者になること」というセリフには思わず笑ってしまいましたが。炊事を担当する兵を演じたドランクドラゴンの鈴木 拓、なかなかいい味を出していましたね。
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