ミュージカル「ラ・マンチャの男」シアターBRAVA 9日昼の部を観て
今回のシアターBRAVAでの公演を加えて、1145回も上演されるというすばらしいミュージカルを、今日初めて観ることができました。前もって予習しておいたので、セルバンテスの物語とドンキホーテの物語が入れ子の仕組みになっていたのもよく理解できました。まず、生オーケストラの演奏で16世紀のスペインの世界へ誘われ、牢獄に放り込まれたセルバンテスと囚人達演じる劇中劇「ドンキ・ホーテ」にひきこまれ、そしてついには繰り返し歌われる「見果てぬ夢に」に感動し涙さえしてしまいました。最後にはセルバンテスの生き方と、ドン・キホーテの生き方がオーバーラップし、二人はともに「ラ・マンチャの男」となるというのもかっこいい終わり方でした。
その奇行をからかわれ、狂気の沙汰とののしられながらも、心の気高さと夢を求めていったドン・キホーテ。セルバンテスもこう語ります。「現実に向き合わず夢ばかり見るのも狂いだが、現実におりあいをつけるしかないだけの生き方も狂いである。本当に大事なことは、夢を追い求め現実をいかに変えていくかにある」と。よく「がんばりすぎ」とか「人が良すぎる」とか言われながらも、やっぱり仕事をやらざるをえなくなってしまう自分に、この物語が重なって見えてしまいました。それゆえに「夢は実りがたく、敵はあまたなりとも、胸に悲しみ秘めて、我は勇みゆかん。道は極めがたく、腕は疲れ果つとも、遠き星めざして、我は歩み続けん」と歌われる「見果てぬ夢」には本当に心打たれ、そして自分はこれでいいのだと生きる勇気をもらったように思いました。
それでいてけっこうコミカルな場面も多く、大阪バージョンでしょうか「床屋は今来たとこや」とか、「こりゃまた難儀な」とかのセリフは笑わせてもらいました。
松本幸四郎さんは力みが抜けた柔らかい演技で魅了し、松たか子さんは精一杯のエネルギーほとばしらせた熱演で素敵でした。言うまでもなく歌も素晴らしかったです。
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コメント
はじめまして。
ラ・マンチャの男で検索して、こちらにたどりつきました。
私も初めて幸四郎さんのラ・マンチャの男を見てきました。
確かに、予習していないと、あの複雑な構造は分かりにくいですよね。
幸四郎さんは歌舞伎でよく拝見していますが、あんなに歌がお上手だなんて知りませんでした。
ラ・マンチャの男は、これからも何度も観てみたいミュージカルだなと思います。
投稿: るみ | 2009年5月10日 (日) 13時40分