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2009年2月21日 (土)

キャラメルボックス2009ハーフタイムシアター「すべての風景の中にあなたがいます」「光の帝国」 21日大阪公演を観て 

 サンケイホールプリーゼはオープン以来3回目の観劇となります。今回は初の2階席で山頂から谷間の舞台を見下ろすようなロケーションに、少し驚いてしまいました。入り口から2階席に上がるのも、階段を登りフロアを巡り、さらに階段を登りフロアを巡りの繰り返しで、初めてこの劇場に来たときにロビーから見上げた2階、3階になぜ人がぐるぐる歩いているのか不思議に思いましたが、その謎が今日やっと解けました。
 
 さて、キャラメルボックス。楽しみのひとつは前説にあります。いつも趣向をこらしたおもしろい作品?なんですが、今回は両編とも歌できました。ひとつは童謡バージョンの替え歌で、可愛らしく勢揃いしたメンバーが「女子高生の突っ込みは、『あの人、めっちゃかみすぎ』、おばちゃんのおしゃべりは『あの役者さん、うちの息子にそっくり』」とかの歌詞で笑いを取りながら、マナーの注意を呼びかけていました。もう一つは「ゆず」ばりのギターを抱えた二人組で、いきなり「最後の曲になりました」と、こちらも喜ばせてもらいました。
 
 1本目は「すべての風景の中にあなたがいます」。携帯電話が未来とつながるとか、手紙が未来に届くとかのよくあるパターンのタイムトラベルものですが、キャラメルが演じると不思議と新鮮さを感じてしまうのですね。それだけひたむきな熱演があるからだと思います。またかと思いながらも、引き込まれてしまいます。それとこの作品はタイムマシンなどの機械は登場せず、山の深い霧とか「人の思い」がアクションをおこし、時間を越えて過去と未来をつなぐという設定が、ちょっと幽玄的な世界を醸し出していました。といってもギャグは満載で、過去と未来を越えて出会っている二人に、横からいろいろちょっかいを出す細見大輔さんの役が傑作でした。岡田達也さんの紹介も「ちょっと旬をすぎたアイドル風」といのうがよく受けていました。
 
 2本目は恩田陸さん原作の「光の帝国」。前もって原作の小説を読んだときには、キャラメルにぴったりのお話だと思いましたが、予想に違わずワンダーランドな舞台でした。暗記力にたけた「しまう」とか、人の気持ちが伝わる「ひびく」とか特異な能力を持つ常野(とこの)の人々のお話。一見民話風なんですが、けっこう意味するところは深いものがあります。決してあらわにしようとしない父親の息子に対する不器用な愛情には、胸打つものがあり、「僕たちは、無理やり生まれさせられたのでもなければ、間違って生まれてきたのでもない。それは光があたっていると同じように前から決まっている決まりなのだ」というセリフは、すべての人が持つ命の重さはすべて同で、どの命にも意味があるのだと、僕には思えました。場面的には、シェークスピアの長いセリフを家族みんなで唱じるあたり、お母さん役の坂口理恵さんがからんできておもしろかったです。畑中智之が「トリツカレ男」で見せたような純粋な心を持つ少年の役を、この作品でもうまく演技していました。

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