キャラメルボックス 2009 クリスマスツアー"AN ANJEL EARS'S STORY " 21日 神戸公演 昼の部
今回のクリスマスツアーは、他人の心の声が聞こえるという「天使の耳」を持った男の話。いわゆるテレパスという超能力と似ていますが、違うのは人の心を読もうとするのではなく、自分の意思とは裏腹に自然と聞こえてくるというものです。怪我をして現れた出版社の社長が、社員になぜ自分はこうなったのかを、時間を戻し話始めるというキャラメルらしい展開になっています。
「人の気持ちがわかるというのは、不幸なことだ」と男は言います。今ままで尊敬されているとばかり思っていたのに、心の声では娘や息子に「くそオヤジ」と言われているのですから。確かにそんな言葉は聞きたくはありません。しかし、作者は心の声が本当のその人の気持ちとは限らないとします。さらに自分をだましてでもその奥には、隠された本心があると。そこまで考えると、自分の本当の心というのは、自分にもわからない無意識の世界にあるような気がして、不可解極まります。
なんか心理学か精神分析のように難しい話になってきましたが、実際の舞台はそんなことを深く考える必要もないように、コミカルに展開していきます。出演者が入れ替わり立ち替わり、心の声の役になって後ろにつくというおもしろい演出になっています。ちょっとせわしない感もなきにしもあらずですが、声役の人が風貌までまねしてしゃべろうとするところはよく受けていました。そしてやっぱり最後は、クリスマスらしい心温まる話になっていました。
「天使の耳」はエンジェルだけが持つのがいいようです。人間にできることは、人の気持ちに共感できることだけでいいと思いました。
天使の耳を突然持つことになった社長を演じた、西川浩幸さん。絶妙の間やセリフの切り返しがさすがでした。
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